


日付:2026.10.08
金融業界での安定したキャリアを捨て、M&Aコンサルタントという厳しくもやりがいのある世界へ飛び込んだS.Cさん。一見クールで謙虚な語り口の裏には、経営者の切実な想いに誰よりも深く寄り添い、時には組織の正義を守るために行動を起こす熱い信念が秘められていました。 第2回「成し得る人たち」は、確かな実務力と圧倒的な誠実さで成果を上げ続けるCさんのストーリーを紐解きます。
安定の裏にあった葛藤。
「もっと深く、経営者を支援したい」
「当初は兵庫県の信用組合に入社しました。そこでは、主に不動産業者向けの融資営業を担当していたんです。」
地域密着の金融機関として財務も安定しており、働く環境に大きな不満があったわけではありません。
しかし、毎日ルーティンワークをこなす中で、Cさんの中には少しずつ「問い」が芽生え始めていました。
「他行が出さないような案件を工夫して通すやりがいはありました。でも、扱うスキームは基本的に不動産融資が中心。たまにお客さんから『会社の事業承継やM&Aの資金について相談したい』と言われても、当時の自分には知識も経験もありませんでした。『自分はこのまま、同じ範囲の仕事だけを続けていくのかな』という焦りにも似た思いがありましたね。」
もっとビジネスの深い部分に携わり、経営者の切実な悩みを解決したい——。当時20代半ばだったCさんは、安定した環境を飛び出し、M&A業界への挑戦を決意します。
内定を得た他社もありましたが、ナシエルグループ(M&A Properties)を選んだ理由は、選考の場での「人の温かさ」でした。
「面接後に役員や社員のみなさんとフランクに食事をする機会があったんです。すごく賑やかで(笑)、飾らない人柄や距離の近さを感じて『ここなら自分らしく伸び伸び働けそうだな』と直感して入社を決めました。」
アナログ文化からの脱却と、
成果が出ない1年間の試練
入社して最初に驚いたのは、前職との圧倒的な「ツールとスピード感のギャップ」でした。
「前職では全社連絡すらFAXで届くようなアナログな世界だったんです(笑)。メールすら一部でしか使えず、社内連絡はすべて内線電話。それが当社に入ったら、SlackやKintone、Salesforce、AIツールを当たり前に使いこなしている。『こんなに便利な世界があるのか』とカルチャーショックを受けましたね。」
しかし、ツールへの適応はスムーズだったものの、M&Aコンサルタントとしての本当の壁は現場にありました。 未経験で飛び込んだM&Aの世界。入社直後に幸先よく1件目の案件をクロージングできたものの、その後は8ヶ月間、次の成約が出ない苦しい期間が続きます。
「M&Aって、いくら良い条件で進んでいても土壇場で白紙になることがザラにあるんです。案件の買い手を探すマッチングの難しさを痛感しました。一時は案件が1年間決まらない時期もあって、焦りやプレッシャーを感じたこともありましたね。」

それでもCさんは諦めませんでした。自身の強みである「決算書を正確に読み解くスキル」と「こまめな報連相」を徹底。チームや上司に判断を仰ぎながら、愚直に打診と提案を重ねていきました。
会社を救いたい——
切迫した経営者を救った泥臭い粘り
Cさんの仕事に対する姿勢を象徴するエピソードがあります。ある時、紹介で担当することになった案件での出来事でした。
「『この期日までにM&Aを成立させないと、会社を続けられないかもしれない』という、切迫した状況のお客さまがいらっしゃったんです。手遅れになったら会社が潰れてしまう。そんなの絶対に嫌だし、何としても救いたかった。」
タイムリミットが刻一刻と迫る中、何十社、何百社と打診を重ねるプロセスを、Cさんは諦めずに最適な買い手へアプローチし続けました。厳しい価格交渉や、一歩間違えれば破談になる絶望的な状況が続きます。それでもCさんは売却先の事情や買い手側のメリットを細かく分析し、泥臭い手数を惜しみなく打ち続けました。限界ギリギリの粘りが実を結び、奇跡的とも言える期日内でのクロージングを結実。「本当に助かった、ありがとう」——安堵するオーナー様の声を聞き、無事に会社が存続して今も動き続けている姿を見た時、胸が熱くなるほどの達成感が押し寄せました。
「無事に引き継がれ、今もその会社がちゃんと運営されているのを見た時は、心底ホッとしましたね。」
また、Cさんは単に自分の成果を追うだけでなく、組織としての「誠実さ」や「正義」を何よりも大切にしています。案件の推進にあたって疑問や懸念が生じた際には、どんなに小さなことであっても上司やチームへ即座に共有し、透明性の高いやり取りを徹底しています。
「自分だけが情報を抱え込むのは絶対にやめようと思っています。案件に関わる全員が正しい情報を持って判断できる状態を作ることが、結果的にお客さまと会社を守ることにつながるからです。」
若手が早期から「実務の主役」になれる環境で、さらなる高みへ
現在、4年目を迎えたCさんは、外食業界をはじめとする大型案件から小規模案件まで、数多くのクロージングを主導する中心メンバーとして活躍しています。後輩の指導にも携わり、チームを牽引する存在となりました。
取材中、何度も「運が良かっただけですよ」「当たり前のことをやっているだけです」と謙虚に語っていたCさん。しかし、その「当たり前」のレスポンスの早さ、泥臭い行動力、そしてお客さまを想う誠実さこそが、多くの経営者や仲間から絶大な信頼を寄せられる理由です。
最後に、ナシエルグループへの応募を考えている未来の仲間へ向けてメッセージをもらいました。
「他社だと入社してしばらくは電話での新規開拓(ソーシング)ばかりというケースも多いようですが、当社のM&A事業部は最初から実際の案件に触れ、早期から実務経験を積むことができます。早期にM&Aコンサルタントとしての実践的な力を身につけたい人にとって、これ以上ない環境だと思いますよ。」

「胸が高鳴る世の中に。」というナシエルのミッションの根底には、Cさんのように愚直にお客さまと向き合い、泥臭く未来を切り拓くプレイヤーの存在があります。彼の挑戦は、これからも多くの企業と人の可能性を広げていきます。
